寝ている時に見ている「夢」。

一説によると、夢をみることによってストレスの解消をしているのだそうです。

私も大学の一般教養の心理学の方でそう習いました。

でもたまに、夢見が悪くて汗びっしょりで起きたり、夢の中でお化けに追いかけられて怖い思いをしたり、これってストレス解消にホンマになってんの?って思われる方もおられるかもしれません。
ですが、夢自体はストレス解消になってないかもしれませんが、夢をみることはストレス解消になっているのだそうです。
さて、そのわけは?

意識がある時、人は色々な事を感じ、考えています。
昼ごはんに何を食べようか、靴下を帰りに買わなくちゃ、あの上司一度殴ってやりたい、
失恋した友人をどうやって慰めればいいのかな など、人が考えるべきことはたくさんあります。ついつい抱いてしまう感情も沢山あります。

でも殆どの人はそれらを抑え込んで、今やらねばならない事を集中して考えます。

でも、昼ごはんの時間になればランチのメニューを決めますし、帰りには靴下を買って帰るし、
仲間内の飲み会では「あいつムカつくよね~」って愚痴りますし、夜の長電話では友人を慰めることも出来ます。
人の意識にのぼる(考えている)事は、沢山の情報を五感で感じとって総合し、真っ先に考えなくてはならない最優先事項(その場にふさわしい事柄)というわけです。

具体例を挙げますと、
「強盗に襲われた時には、口うるさい姑に気に入られる様な今日の晩御飯のメニューなんて考えずにどうやって逃げるかを考える」
ってことです。目で視て、耳で聞き、肌で感じ取った情報から、今は晩飯気にしてる場面じゃない!どう逃げようか?と判断しているわけですね。

だって、そうしないと死んじゃうから。

あなたが遠距離恋愛で悩んでいたとしても仕事場に来ると書類を作れたり、将来歌手になる夢を持った娘さんがテストの時に歌い出したりせずに回答が出来るのも、同じ様に「情報から最優先事項(その場にふさわしい事柄)を選択する」活動をしているからです。

ところで人は、寝ている時も脳の一部は起きて活動しています。夜中の地震に気付いたり、目覚まし時計が鳴って起きたり、といった現象でもそれが分かるかと思います。寝ている間にほぼ完ぺきにシャットアウトされている感覚は「視覚」だけでしょう。

さて、そんなふうに寝ていても情報を受け取っている私達ですが、「最優先事項(その場にふさわしい事柄)を選択する」活動まで処理を進めてしまうとしたらどうでしょうか?
夜中の救急車の音にうるさいなという感情が起こったり、パジャマのズボンの締め付けが鬱陶しいから脱いでしまおうとか、考えちゃいますよね?そしていちいちどっちを優先して解決すべきか、どんな言動がふさわしいかを選択していたら………おちおち休めたものじゃありません。ただでさえ社会の荒波にもまれて必死の思いで空気読んで生活しているのに、寝ている時ぐらい自由にさせてくれ!

だから、寝ている間には、(生命の維持のためにも)情報は受け取るけれども「最優先事項(その場にふさわしい事柄)を選択する」仕事を放棄する為に、夢の中に身を置くのです。

現実世界にふさわしい思考・言動をしなければならないというストレスからひととき解き放たれる為に夢を見る。

夢自体はストレス解消にならないかもしれないけれど、夢をみることはストレス解消になっているって、そういう事です。

夢の中の私たちは自由です。何をしてもかまいませんし、どんな理不尽な展開になっても構わない。
自由であることからも自由なので、不自由を避ける事すらしない。真に自由でルール無視だからこそ、自分に都合の悪い悪夢だって見てしまいます。
ですが、夢はすぐに忘れてしまいます。良い夢も、悪い夢も平等に。
現実世界に戻った時に夢をいつまでも覚えていては、夢と現実の区別がつかなくなって困るからです。

夢の中でアイドルのナントカちゃんとねんごろになったとして、それをいつまでもはっきりと覚えていたら、

「俺はナントカちゃんと恋人同士なんだぜ!」と、友人に有りもしない自慢をしてしまうかもしれませんし、

ナントカちゃんのメアドがケータイに保存してない事に戸惑って混乱してしまうかもしれません。

そんなことが起こらないように、夢は忘れてしまうのが人としての「基本仕様」なんですね。

実に上手く出来ています。
ですから、怖がらずに心ゆくまで解放され、夢の中で遊んでください。

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