ワタクシも崖っぷちとはいえ鍼灸師の端くれですので、友人に健康相談やらなにやらを吹っかけられることが大変多ございます。

私自身の勉強にもなりますし、それくらいしか友人の役に立つ(友人同士において「役に立つ」事が必要かどうかは置いといて)事も見当たらないので、それはもう親身になってお話を聞かせて頂きますし、出来る限りの知識を総動員してなにがしかのご提案もさせていただいております。
が……

「痩せるツボないの?」

この質問、答えるのにめっちゃ苦労します。

だってね、人類がこの地に出てきてから今まで、肥満と闘う歴史ってここ何十年なんです。それまではずっと飢えとの戦い。
いつも栄養たっぷりの食べ物がホイホイ手に入るわけではない環境の中で、なんとかして弱った体を治そうと試行錯誤の末にやっとこさ出来上がったのが東洋医学です。
太って死ぬってシチュエーションにはぶち当たってないんですね。

むしろ痩せるのは不健康だから。

なので、「基本的に」痩せるツボってのは、私は知りません。

でも、どんなに勉強不足な鍼灸師であっても、太りづらくするコツみたいなものは教えて差し上げることが出来る場合があります。
それは、

痩せたい人が慢性的な睡眠不足の場合。

睡眠不足だと、自覚なくたくさん食べちゃいます。
ホルモンのせいです。食べちゃうのはもうみんなホルモンのせいでいいです。(個人の感想です)
ホルモンは体からの、脳へのお手紙だと思って下さい。「食べろ、もっと食べろ」とか、「おなかいっぱいだから食べなくていいです」とか書いてあります。

そのお手紙の中に「レプチン」「グレリン」というものがあります。
レプチンは肥満細胞という脂肪を蓄えるのが得意な細胞からのお手紙で、

内容は「たくさん脂肪を蓄えたので、食べるのは控えてガンガン使ってもよろしくてよ?」です。

対してグレリンは胃から出されるお手紙で、内容は「まだまだ食べられる!」です。

もうお分かりだと思いますが、

人は睡眠不足に陥るとレプチンが減り、グレリンが増えてしまいます。

何故か?

体によくない事が起こった時にその体は、正常な状態に戻すためのエネルギーを必要とします。
そして前述の通り、必要な時に必要なだけ食べ物が手に入る生活はここ最近のものです。

なので、「食べられる時に食べて蓄えておく」という姿勢が人の基本原則なんですね。
その基本原則に、寝不足という危機(ストレス)が乗っかります。寝不足による危機を脱する時に使おうと、体はガンガンとエネルギーを貯め込もうとします。

「食べろ食べろホルモン」のグレリンがのさばり、「もういらないです」ホルモンのレプチンは沈黙する。
ホルモンの言う事を体はちゃんと聞きますから、食べろ食べろに従って食べちゃいます。

食べた分動かないと太ります。実に正常な反応で、結果です。おめでとう!!って、全然嬉しくない。

もっと怖いことを言ってもいいのなら、

寝不足というストレスに対抗する為に「コルチゾル」というホルモン(別名・ストレスホルモン)

副腎という腎臓の上にかぶさっている帽子みたいなところから出ます。

この子は「戦闘準備にかかれ」というお手紙です。具体的には、ストレスにさらされた脳を守るため、そしていつでも逃げたり闘ったりする計算ができるように血糖値を上げ(脳はブドウ糖によってご機嫌に動いてくれる)ます。但し、なりふり構わず血糖値を上げようとするので、大事な筋肉を分解して糖を作るんです。だって、筋肉もブドウ糖を消費して活動するけれど、優先順位としては脳が上だから。筋肉に糖を使わせたくないがための策略とでも申しましょうか。
そしてせっかく用意した糖は、脳による闘争やら逃亡やらの膨大な計算に使用されることなく脂肪に置き換わる。極端な事を言ってしまえば、筋肉を脂肪に置き換えているようなものです。
筋肉が少なくなると基礎代謝と呼ばれる「人が生きるのに必要な最低限の活動」も低くなり、その消費カロリーも少なくなります。
要するに、以前より太りやすい体になるという事。ホルモン怖い。寝不足怖い。ストレス怖い。

 

寝ないって事は体にとってストレスなんです。普段使わない回路に切り替えて生命維持に努めちゃうくらい。

あなたが夜中にFBやら○ちゃんねるやらをぼんやりと見て夜更かしした30分は、あなたが目覚ましが鳴ってお布団から出たくない時間と同じ時間だ!!
睡眠が減ると脂肪は増えると知れい!

と、十分な睡眠のススメを友人たちには説いているんですが。まさかこのキツイ言い回しがストレスになって痩せないんじゃあるまいな?

もうちょっとスマートになりたいと思っていて、あなたが寝られる環境にもかかわらず寝ないで夜更かししているのなら、健康と体重の為に早寝しちゃってください。絶対何かが変わります。きっとそれはお肌の調子と体重です。

1か月、十分な睡眠をとっていても体重が増え続けたとしたら……
おそらく自分が思っているほど寝られていないか、睡眠とは別の理由でカロリーの過剰摂取をしているか消費カロリーが少なくなっているかです。

つまり、体がよくない状態にあるという事です。良くない状態から解放されれば、適正体重に近付いてゆきます。

ワタクシ、痩せるツボは存じ上げませんが、良くない状態を治そうとするお体をお手伝いをするツボは、多少なりとも存じ上げておりますゆえ、「二次的な作用として痩せてゆくツボ」は、探し出せるかと。
食事を極端に制限するとか、○○だけしか食べないとか、丸一日サウナに入り浸るとか、一日中サウナスーツで走り回るとか、「明日のジ○ー」や「はじめの○歩」の鷹村のような(分かる方だけ分かって下さい。)極端なダイエットに走る前にご相談いただけると、お楽かと思います。いろんな意味で。

あともう一つ。太るのはホルモンのせいで、あなたのせいではあんまりないってことを頭の片隅に置いておくと、「痩せなきゃストレス」「私は意志薄弱なんだストレス」などによって余計なストレスホルモン出さずに済むかもなので、まぁ、なんだ。
どんまい!

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